基礎コンピテンシー

BABOKの9章はCBAPとかのテストには出ないのですが、とっても重要だと思うことが書かれています。ビジネスアナリストとしてどんなスキルが求められるかです。コンピテンシー(competency)とは、ハイパフォーマーに共通してみられる行動特性のことです。資格取得とか関係なく若手にはこの章を読んで欲しいです。

  • 分析的思考と問題解決
  • 行動特性
  • ビジネス知識
  • コミュニケーションのスキル
  • 人間関係のスキル
  • ツールとテクノロジー

の6種類が記載されています。いずれも場数を踏まないと伸ばせない特性ですが、意識するしないでは伸び方が違うと思います。繰り返し言いますが、全部大事です。そして、楽をして評価されたいとか思っている人には目指せない職種だということが分かるかと思います。そうです、心から楽しんで仕事をしないとなかなか向かないってことも分かると思います。

いくつか、記載されている内容をご紹介しますが、まず「システム思考」です。これは視座を局所最適から全体に引き上げるような思考法です。参考図書もご紹介しておきます。氷山モデルというと、聞いたことがある人も多いと思いますが、表面に現れていることは全体の一部でそこだけ見ていてもだめだよって話です。出来事でなくそれを引き起こした要因を視座を広げてみてみましょう。そしたら、出来事に対しての対処でなくてもっと全体でやるべきことが見えるよねみたいな話です。これは、ループ図という言葉をぜひぐぐって欲しいのですが試しにループ図を描いてみると練習になります。難しい方はさくっと数時間の研修で学んでしまいましょう。ぜんぜん難しくないですし、癖をつけることで対処療法でなく根本治療ができるようになります。若手の人は若いうちに癖をつけてください。なぜなぜなぜを繰り返せっていうのもこれに近しいですね。

次にご紹介したいのが「交渉による衝突解消」です。これが全然できない人も多いです。人と人の衝突の交渉は、基本は利害関係の調整になります。ステークホルダーのAさん、Bさんが衝突した場合にどうやって調整するかって話です。本にはもっと丁寧に書いて欲しいのですが、、Aさん、Bさんですが例えば同じ会社の人であればば会社としてもっと利益が出るというところが究極の一致する利害です。Aさん、Bさんが衝突しないことで会社としてもっと利益がでることを論理的に説明するというのがポイントいなります。また、Aさん、Bさんのバックグランドを踏まえた言葉選びや粒度感を意識したコミュニケーションが重要です。これが意識しないととても難しいようで若手だと自分が言いたいことばかり主張するシーンをよくよく見ます。これに加えて、会社には力学があります。ようは、Aさん、Bさんが言うことを聞かざるを得ないCさんを味方に巻き込みCさんを利用するというやり方です。ただ、これもやり方がAさんBさんと紳士に説明や努力を行った後の後押しという風にやるか、別の味方にやってもらうなど工夫しないとAさん、Bさんの信頼を失うので注意です。交渉や調整が苦手だったりする人は、得意な人を観察するときにこれらを意識してみてください。特に言葉選びや粒度感は意識するとものすごく成長速度が上がると思います。

あと1つだけ書いて本日のブログを締めようと思います。昨今の力学で忘れてはいけないのは、社会のルールや規制がビジネスの与件になってきたことです。資本主義の再構築とか読まれた方も多いのではないでしょうか。SDGsもそうです。会社が儲かるからといって無視できない与件として、その事業は社会的に必要か持続可能な世界に貢献するかという観点が求められるようになりました。要はめちゃくちゃ儲かるけど、社会的にNGだったらやっちゃダメっていう風な時代になったんです。この社外からの大きな力学はビジネスアナリストは理解必須かと思います。マイケル・ポーター教授のCSVという言葉も同じ話です。(Creating Shared Value)ビジネスアナリストだけでなく全てのビジネスマン必須なんですけどね。もっと言うと、ルールや規制を作る側に日本も積極的に関与しないといつまでたっても世界を先導できないと思うんですよね。

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