ソリューション評価
ソリューション評価は他の知識エリアと異なる点は実際のソリューションが存在することであるとあります。便益の実現を支えるソリューション評価のタスクは、チェンジの着手前、現在価値の評価中、ソリューションの適用後、開発中のいろんな段階でやることもありますと書かれています。
①ソリューション・パフォーマンスを測定する
パフォーマンス評価によく使う例として、エンタープライズの測定項目、プロジェクトのゴールと目標、プロセスのパフォーマンス目標、あるいわソフトウェアアプリケーションのテスト項目と整合性を持つKPIが挙げられています。どのような価値を測定対象とするかにより、定量的な測定項目か定性的な測定項目などで評価します。パフォーマンス測定項目はスポンサーに委ねられることが多いが、意思決定の権限を持つ他のステークホルダーによってなされることもあります。最後にパフォーマンス測定結果を収集するですが、サンプル・サイズ(現実的な)、頻度とタイミング、鮮度(新しい方が〇)を考慮しなさいと書かれています。
②パフォーマンス測定結果を分析する
パフォーマンス測定結果の分析は価値に関連してソリューションパフォーマンスに対する洞察を得ることが目的となります。結果がそのままソリューションの価値に関する決定にはめったにならないと書かれています。また、ソリューションの価値を判断するのに測定データが不足していた場合は追加測定かデータ不足をリスクとして管理するかが挙げられています。
データ分析には異常値や傾向のゆがみには留意する。とありますが、実務だと取得範囲は割と与件になるものかと思います。正確さとして、結果が再現可能で繰り返し可能なものでないといけないとされています。これは、分析結果の解釈についての話だと思っています。パフォーマンス分析時に考察する期待値と実績値の差異については根本原因分析などで原因特定をする。
③ソリューションによる限界を評価する
ソリューションによる限界を評価するタスクはエンタープライズによる限界を評価すると同時並行に行ってもよいとされています。ソリューションによる限界を評価するタスクはソリューションライフサイクルのどの時点で実行してもよいです。
全体のパフォーマンスを下げる原因のコンポーネントを特定するとあります。ソリューションの問題を調査したら、影響評価をしてアクションを検討します。
④エンタープライズによる限界を評価する
文化面のアセスメントがまず書かれています。ソリューションからさらなる価値を引き出すためには、組織文化を変える必要があるか、そして何を変えるかを見極めると。DXは組織文化が変わるのは必須だと思っています。ここの変革とか画期的な方法とかあったら知りたいです。。組織内の非公式な力学を理解して頑張れとBABOKには書いてあります。また、ソリューションを使いこなせるかという文化とは別に運用のアセスメントも書かれています。
ステークホルダーの影響分析には下記を考慮します。
- 機能:ステークホルダーがどのプロセスでソリューションを使用するかなど
- 場所:地理的な場所
- 関心ごと:課題、リスク、ステークホルダーがソリューションに対して持つ関心事全般
⑤ソリューションの価値を向上させるアクションを推奨する
潜在価値と実際の価値の差を生み出す要因を理解し、差がなくなるようにアクションするタスクとなります。推奨案は、基本的にはソリューションパフォーマンスを向上させる方法を記述するが、例外もあるとされています。
- 何もしない:チェンジのリスクが現状維持のリスクを大幅に上回る
- 組織的変革:ソリューションに関係するチェンジへの態度、認識、関与をマネジメントするプロセス
- インターフェイスの複雑性の低下
- 冗長性の排除
- 無駄の排除
- 追加能力の特定
- ソリューションの廃止
ソリューションのリプレースまたは廃止に関する意思決定の要因
- 継続コスト VS 初期投資コスト:継続は時間と共に増加する一方で、きりかえることで初期コストはあるが維持コストが下げられる
- 機会コスト:別の行動で実現できたかもしれない価値
- 必要性:ライフサイクルの一定期間を超えた
- 埋没コスト:イニシアチブに既に投下された工数で回収できない。将来の行動を検討するときに、実際は無関係であるが無駄になると感じることは意思決定に影響する